第16回ショパン・コンクール 入賞者ガラ・コンサート(ユリアンナ・アヴデーエワ) [□ピアノリサイタル]
ダニール君の次に登場したのが、
今回のショパンコンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワ。
ユリアンナの魅力は十分にわかります。
優勝する技量と解釈の持ち主だということもわかります。
しかし、私は何度聞いても好きになれない。
選んだ楽譜が何であれ、それもまた彼女の解釈のひとつです。
もともと女性で、しかもロシア人で好きなピアニストもほとんどいませんから、
趣味の範疇といってしまえばそれでおしまいです。
ドレスでないことも不満のうちですが、パンツスーツであることが
彼女の意図している目的を達成していることも事実です。
2位がゲニューシャスだけなら、確かに1位かもしれないと納得もできたのですが。
(理由はゲニューシャスの回で)
***
さて、肝心の演目は
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
(The best performance of a sonata 受賞)
実は、太鼓の様な音を出すのでなはいかと期待していました。
強く激しい主張を待っていたのですが、
意外や意外、実に柔らかで消え入る様な音を出してきました。
本選でも、こんな音を出していたのでしょうか。
演奏スタイルはarchiveで見るものとあまり変わりませんが、
演奏そのものの印象は少し変わりました。
アンコールはバッハ。
バッハ、良かった!
そう、この違和感はショパンだから感じるのです。
バッハもそうですが、スクリャービンなどは聞いてみたい。
***
ちなみに演奏終了後のユリアンナは孤独そうでした。
男の子への女性ファンが多かったことも一因かもしれませんし、
単純な妄想かもしれませんが。
ユリアンナがこれから世界中で公演を重ね、
どのようなファンを獲得して行くのか非常に楽しみです。
今回のショパンコンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワ。
ユリアンナの魅力は十分にわかります。
優勝する技量と解釈の持ち主だということもわかります。
しかし、私は何度聞いても好きになれない。
選んだ楽譜が何であれ、それもまた彼女の解釈のひとつです。
もともと女性で、しかもロシア人で好きなピアニストもほとんどいませんから、
趣味の範疇といってしまえばそれでおしまいです。
ドレスでないことも不満のうちですが、パンツスーツであることが
彼女の意図している目的を達成していることも事実です。
2位がゲニューシャスだけなら、確かに1位かもしれないと納得もできたのですが。
(理由はゲニューシャスの回で)
***
さて、肝心の演目は
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
(The best performance of a sonata 受賞)
実は、太鼓の様な音を出すのでなはいかと期待していました。
強く激しい主張を待っていたのですが、
意外や意外、実に柔らかで消え入る様な音を出してきました。
本選でも、こんな音を出していたのでしょうか。
演奏スタイルはarchiveで見るものとあまり変わりませんが、
演奏そのものの印象は少し変わりました。
アンコールはバッハ。
バッハ、良かった!
そう、この違和感はショパンだから感じるのです。
バッハもそうですが、スクリャービンなどは聞いてみたい。
***
ちなみに演奏終了後のユリアンナは孤独そうでした。
男の子への女性ファンが多かったことも一因かもしれませんし、
単純な妄想かもしれませんが。
ユリアンナがこれから世界中で公演を重ね、
どのようなファンを獲得して行くのか非常に楽しみです。
第16回ショパン・コンクール 入賞者ガラ・コンサート(ダニール・トリフォノフ) [□ピアノリサイタル]
まずは第3位のダニール・トリフォノフ君。
マズルカ賞を受賞。
FAZIOLIを弾く姿が印象的でしたが、今回は全員が同じ一台のピアノ(スタインウェイ)でした。
もともロシアのピアニスト、作曲家は好みではありませんが
彼は夫と意外な共通点があり(同じ土地に暮らしていた)、
少しひいきにしていました。
3つのマズルカ Op.56より 第1番 ロ短調/第2番 ハ長調
マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5
タランテラ 変 イ長調 Op.43
軽やかながら味のあるマズルカ。
他のショパン弾きなら「ためてためて」弾くところをふっと流すような。
ルックスからして正統なイメージですが、
むしろ揺らしの得意なピアニストだと思います。
彼独特のスピード感と強弱。
子供のおもちゃのピアノが出すような硬質で粒の際立った音を出すのが印象的でした。
世に言う「きらきらした音」ではありません。
もっと土臭く、泥臭い演奏をしたらより面白いと思います。
誰が決めたか知りませんが、よくぞ彼のタランテラを入れてくれました。
<アンコール>
リスト/パガニーニ:ラ・カンパネラ
このアンコールで、もうすでに彼はれっきとしたプロであることを確認しました。
「入賞者」ではなく、ひとりの演奏家です。
ショパン以外の作曲家のほうが、より味が出るピアニストかと。
マズルカ賞を受賞。
FAZIOLIを弾く姿が印象的でしたが、今回は全員が同じ一台のピアノ(スタインウェイ)でした。
もともロシアのピアニスト、作曲家は好みではありませんが
彼は夫と意外な共通点があり(同じ土地に暮らしていた)、
少しひいきにしていました。
3つのマズルカ Op.56より 第1番 ロ短調/第2番 ハ長調
マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5
タランテラ 変 イ長調 Op.43
軽やかながら味のあるマズルカ。
他のショパン弾きなら「ためてためて」弾くところをふっと流すような。
ルックスからして正統なイメージですが、
むしろ揺らしの得意なピアニストだと思います。
彼独特のスピード感と強弱。
子供のおもちゃのピアノが出すような硬質で粒の際立った音を出すのが印象的でした。
世に言う「きらきらした音」ではありません。
もっと土臭く、泥臭い演奏をしたらより面白いと思います。
誰が決めたか知りませんが、よくぞ彼のタランテラを入れてくれました。
<アンコール>
リスト/パガニーニ:ラ・カンパネラ
このアンコールで、もうすでに彼はれっきとしたプロであることを確認しました。
「入賞者」ではなく、ひとりの演奏家です。
ショパン以外の作曲家のほうが、より味が出るピアニストかと。
第16回ショパン国際ピアノ・コンクール 入賞者ガラ・コンサート [□ピアノリサイタル]
ショパンイヤー明けての一発目はショパンコンクールのファイナリスト達による、日本公演。
出演者は
Yulianna Avdeeva
Lukas Geniušas
Ingolf Wunder
Daniil Trifonov
François Dumont
の5名の若きピアニスト達。
4位のEvgeni Bozhanov君は不参加でした。
が、佐渡裕さんとオールベートーヴェンプログラムを弾いていたようです。
さあさて、オーチャードホールでは悩ましいことに
2種類のプログラムが用意されていたわけです。
ダニール・トリフォノフ→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
(エディション・コンポーザー、サンクトペテルブルグ)
フランソワ・デュモン→即興曲第1番 変イ長調 Op.29、スケルツォ第3番 嬰ハ長調 Op.39
インゴルフ・ヴンダー→ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61「幻想ポロネーズ」
ルーカス・ゲニューシャス→
ポロネーズ第5番 嬰へ短調 Op.44
12の練習曲 Op.10より 第2番 イ短調
12の練習曲 Op.25より 第4番 イ短調
12の練習曲 Op.25より 第11番 イ短調 「木枯し」
ユリアンナ・アヴデーエワ→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
(ナショナル・エディション)
***
ダニール・トリフォノフ→
3つのマズルカ Op.56より 第1番 ロ短調/第2番 ハ長調
マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5
タランテラ 変 イ長調 Op.43
ユリアンナ・アヴデーエワ→ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
フランソワ・デュモン→アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
(オーケストラ付き)
ルーカス・ゲニューシャス→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11(ナショナル・エディション)
インゴルフ・ヴンダー→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11(パデレフスキ版)
***
両日行ければ良かったものの、
一日しか選べなかったとすると、そりゃあ二日目でしょう。
やはり、お金を出して聴くからには
インゴルフ・ヴンダーに尺を取ってもらいたいというのが本音。
オーケストラは例によって期待していませんでした。
結論からすると、このコンサートは非常に完成された素晴らしい公演でした。
ワルシャワでのコンクールは、当然リアルタイムの配信で見ていたのに加え
ビデオアーカイブでも、ほとんどのピアニスト達の演奏を聴きました。
突出した個性というのは、まだ聴き比べなければわからないかもしれませんが
(それでもきちんと出ている)
確かに彼らは、今すぐ世界中で公演するにふさわしい技術を持っています。
(すでに活躍しているが)
わたし自身の経験としても、かなり上位に食い込む公演だったので
ひとりひとり演奏について、きちんと記録しておくことにします。
出演者は
Yulianna Avdeeva
Lukas Geniušas
Ingolf Wunder
Daniil Trifonov
François Dumont
の5名の若きピアニスト達。
4位のEvgeni Bozhanov君は不参加でした。
が、佐渡裕さんとオールベートーヴェンプログラムを弾いていたようです。
さあさて、オーチャードホールでは悩ましいことに
2種類のプログラムが用意されていたわけです。
ダニール・トリフォノフ→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
(エディション・コンポーザー、サンクトペテルブルグ)
フランソワ・デュモン→即興曲第1番 変イ長調 Op.29、スケルツォ第3番 嬰ハ長調 Op.39
インゴルフ・ヴンダー→ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61「幻想ポロネーズ」
ルーカス・ゲニューシャス→
ポロネーズ第5番 嬰へ短調 Op.44
12の練習曲 Op.10より 第2番 イ短調
12の練習曲 Op.25より 第4番 イ短調
12の練習曲 Op.25より 第11番 イ短調 「木枯し」
ユリアンナ・アヴデーエワ→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
(ナショナル・エディション)
***
ダニール・トリフォノフ→
3つのマズルカ Op.56より 第1番 ロ短調/第2番 ハ長調
マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5
タランテラ 変 イ長調 Op.43
ユリアンナ・アヴデーエワ→ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
フランソワ・デュモン→アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
(オーケストラ付き)
ルーカス・ゲニューシャス→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11(ナショナル・エディション)
インゴルフ・ヴンダー→ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11(パデレフスキ版)
***
両日行ければ良かったものの、
一日しか選べなかったとすると、そりゃあ二日目でしょう。
やはり、お金を出して聴くからには
インゴルフ・ヴンダーに尺を取ってもらいたいというのが本音。
オーケストラは例によって期待していませんでした。
結論からすると、このコンサートは非常に完成された素晴らしい公演でした。
ワルシャワでのコンクールは、当然リアルタイムの配信で見ていたのに加え
ビデオアーカイブでも、ほとんどのピアニスト達の演奏を聴きました。
突出した個性というのは、まだ聴き比べなければわからないかもしれませんが
(それでもきちんと出ている)
確かに彼らは、今すぐ世界中で公演するにふさわしい技術を持っています。
(すでに活躍しているが)
わたし自身の経験としても、かなり上位に食い込む公演だったので
ひとりひとり演奏について、きちんと記録しておくことにします。